走査電子顕微鏡
SEM Scanning Electron Microscope
SEM とは、対象試料に電子線を照射した際に放出される二次電子等を用いて微小な物質を観察する顕微鏡で、主に試料表面の微細構造の観察に用います。(最大倍率:数十万倍~百万倍) 光を用いて観察する光学顕微鏡(最大倍率二千倍)よりも小さな物質を観察することが可能です。
■分析例
□ EDS(※)による繊維状物質の構成元素分析
左:繊維状物質 右:アスベスト標準試料(アモサイト)
繊維状物質とアスベスト標準試料の観察像および構成元素の組成が一致することにより、繊維状物質はアスベストであり種類はアモサイトであることがわかります。
このようにEDSによる構成元素の特定と表面構造観察とを併せて用いることで、不明物質の特定や対象物質の有無などを調べることができます。
※ EDS・・・エネルギー分散型X線分析:Energy Dispersive X-ray Spectrometry
■分析例
□ カビ・ダニの微小表面構造観察
左:カビ(アスペルギルス属)のSEM観察像(450倍) 右:胞子拡大像(23000倍)
左:タカラダニのSEM観察像(70倍) 右:口部分拡大像(500倍)
観察例の画像のように光学顕微鏡では観察できないダニの口部分やカビ胞子1つ1つの表面構造をはっきりと観察することが可能です。