ガスクロマトグラフ質量分析装置
GC-MS Gas Chromatograph - Mass Spectrometry
ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)は、主に有機化合物の定性・定量を行う分析装置であり、ガスクロマトグラフ(GC)と質量分析装置(MS)を結合した複合装置です。微量な有機化合物の同定・定量が可能で、幅広い未知試料の同定もできます。
■クロマトグラフィー分析法の原理
クロマトグラフィーとは、固定相(カラム)と呼ばれる物質の表面を、移動相と呼ばれる物質が通過する過程で、物質の吸着力、電荷、極性(親水・疎水性)などの差を用いて、それぞれの成分を分離して検出する分析方法です。
移動相に液体を用いる方法を液体クロマトグラフィーといい、移動相に気体を用いる方法をガスクロマトグラフィーといいます。
このクロマトグラフィーを用いて分析する装置をクロマトグラフといい、クロマトグラフから得られた結果をクロマトグラムといいます。
■ガスクロマトグラフ質量分析の原理
ガスクロマトグラフィーで分離した単一成分についてそれぞれの分子量のMSスペクトルを測定することにより成分の定性を行い、MSを使用して検出されたイオンの強度により定量を行います。
□特徴
- 揮発性成分の分析に有効
- 豊富なデータベースにより幅広い未知試料の同定が可能
- 微量な有機化合物の同定・定量が可能(ppm、ppb)
□適用例
- 揮発性有機化合物(VOC)の分析
- 作業環境測定の分析
- におい成分の分析
■分析例
□室内空気の分析
ある室内の空気をサンプリングし、GC-MSで分析した結果を示します。
この空気中には色々な成分が含まれていることがクロマトグラムからわかります。
一例として1つのピークのMSスペクトルを見てみると、スチレンであることがわかりました。